どこかにビューーン!で行く美酒王国秋田の旅(県南編)ep.03「十文字ステイはカモシバで、夜の飲食店で日本酒も愉しむ」

大きく括ると増田も十文字も横手市の一部になるわけですが、合併する以前はそれぞれ独立した街だったようで、それこそ横手市の隣に十文字町、その隣に増田町という感じで、増田への訪問をするにあたり、十文字に宿をとったのはなかなか好都合ではありました。

今回宿泊したカモシバは十文字の駅から近く、夜はバーとしての営業、そしてホステルの機能のある施設。
ひとまず、増田からバスで十文字駅付近まで戻ってきました。
駅前付近は若干寂れているかのように思いますが、一つ二つ進んだ角を曲がると飲食店などは街の規模の割には充実していて、いろいろ楽しめる要素はあったと思います。
中には駅前でフレンチのお店もあり…これはランチはラーメンを出していると言う事でしょうか。フレンチも興味はありますが、一人旅であり、日本酒を楽しみたいとも思っている旅なので、興味はありながらもここは通過。(ワイン好きな仲間と旅するともれなく、このようなお店に行くことが多いですが。)
そして、駅前の道を進み右手に折れると、程なく共通の宿のカモシバがあります。既に荷物だけ預けていたので…といってもバースペースに置いて行く感じだったので貴重品は自己管理必須です…最も、この時点ではスーツケースは下着や多少のアメニティ以外は殻に近い状態(酒を購入して持ち帰るためいつもこのスタイル。)心配はありませんでした。
チェックインを済ませて、簡単に説明を受けます。基本的にアメニティは持ち込んでいたんですが、タオルだけは面倒だと思ったので、200円を払い、タオルセットだけ追加で申し込みました。

館内の説明を受けたのと、食事をする場所などは決めているか、聞かれたので「まだ、決めていません」と話したところ、近隣の飲食店の案内の地図と、横手焼きそばのお店が昼に閉まっていた話をしたら、食べることができるお店などもご親切に教えていただきました。

ちなみに、ドミトリーなどもあり、外国の方に人気のある施設のようで、この日は空いてはいましたが、アメリカからの旅行客の方が1組いらっしゃいました。

受付を済ませたら、渡り廊下を進んで、宿泊する部屋へ。
宿泊施設の入り口。
この日は宿泊客は少なかった模様ですが、正直週末だから混雑するとかではないようで、ピークは読めない感じだそう。というか、今思い返してみて他の宿泊客、きちんとブーツを履いてきていて、雪国には必須だったのかなとか思いました。
今回宿泊したのは6人部屋のドミトリー。正直この手のドミトリーとか、ビジネスホテルのカプセルとか・・・眠ること自体に関してとかスペース的に何の問題もないんですが、他人の声だとかに悩まされることはあって、それで普段利用しないところがあります。

最悪耳栓しちゃえばいいんですが、都会のビジネスホテルのカプセルとか何か緊急事態があったときとか、それだと怖いのもあるので・・・すが、ここは宿泊施設も大きくないので、逆に安心、しっかり耳栓ももってきましたが、今回他の宿泊客が1組2人だけで、かつ全く静かでしたので、耳栓は不要でした。
入部屋の入り口の扉には、現地の日本酒銘柄のラベルが張り巡らされています。まあ、やっぱりこの一帯酒処っていうことには間違いないわけです。
さて、十文字の夜の街に出発いたします。横手焼きそばを食べることができるお店も紹介いただいたんですが、明日横手市内に出て食べることができそうなのと、日本酒が飲みたいので取り扱いが豊富そうなお店をなんとなく検索。

ただ、紹介された横手焼きそばのお店はラーメンと焼きそばを出すスナックだったり、そこにいくつかお店が密集していたり、その他にも居酒屋、寿司や、ジビエを出すお店などもあって、街の規模以上に飲食店はけっこうある感じですね。
検索して、日本酒が取り揃えよさそうで手ごろそうなお店に焼き鳥の鳥ふみさんが引っかかりました。店主の方が日本酒に詳しく、手ごろという評判。
人気もあって、予約しないと入れない的なレビューもあって・・・こういう時、繁華街が大々的にある街ではないお店に入るのってちょっと心理的障壁はあって、少し悩みつつドアを開けてみました。

暗いですけどオープンするかどうかな18時にさしかかる時間ということと、ど平日だったこともあり、まだノーゲストでカウンターに座りました。
食事もそうなんですが、日本酒のメニューを見させていただき、店のご主人におすすめなどを伺う。その時揃っている日本酒がボードに書いてありますが、今の時期柄まだまだしぼりたての生酒などが多くオンリスト。

スタートの一杯は、ご説明いただいた中から角右衛門(かくえもん)の即詰めをいただく。福小町の木村酒造の日本酒専門店流通限定の銘柄ですが、バランスよく味の海苔があったように思うっていうか・・・秋田に来てから本格的にいただく一杯目。しみますね。
お通しなどもお酒に丁度良い感じの内容が出てきます。お料理も手ごろでお酒に合いそうなものがたくさんありました。焼き鳥いただこうかとも考えたんですが、他にノーゲストでしたし、他の料理も充実していたので、おつまみ的なものを追加でつまむ形にして、日本酒とともにいただいていきました。
お次は山本の7号酵母。友人がこのシリーズ毎年いただいているようで、同じスペックで6号酵母と、7号酵母の酵母違いをリリースするもの。店主の方によれば、6号酵母は古い酵母でお酒もそういった古臭い古典的なお酒になる傾向があるよう。

6号酵母発祥蔵の新政(あらまさ)が秋田県にはあるがゆえに、独自性ともみなされていて、6号酵母のお酒は多いですが、今回は7号酵母。

7号酵母は長野の諏訪にある真澄が発祥の酵母で発行力が強く、滑らかで口当たりの良い酒が多いイメージでしたが、6号酵母と比べるとフルーティーに仕上がるとのこと。実際そういったテイストは感じられました。
さて、引き続き角右衛門の純米吟醸生酒・・・いや、生酒本当に好きなんで、この時期は生酒が溢れていてありがたいです。
こちらも横手の酒屋の限定でリリースされたもののようです。よそでは飲めないようなラインナップも楽しめました。

店主の方は、この一帯や秋田の酒の銘柄に関して非常に詳しくて、実際に酒蔵にも訪問歴なども多いようで、そのあたりの様々な事情などもうかがえます。平日の空いている時なので、ここぞとばかりいろいろお話を伺いましたし、

日本酒だけではなく、雪不足の話(横手はかまくらまつりを雪のある地域から雪をあつめて強硬したものの、他の祭りは軒並み中止になった)、大曲や増田の花火大会の話(混雑具合もすごいので、現地の人の参加の仕方のこつなど)、

この一帯の食文化の話・・・やっぱり味付けは濃かったり、甘い味付けということや、酒も基本的にそこにあわせてそれなりに甘さなどがあること・・・あと、調味料の話、醤油も含めてやっぱり甘い味付けが好まれることに加え、

最近の若い世代の人たちは、なんでも出汁醤油で食べてしまう(例えば寿司など)ことなといろいろお話を伺いました。

丁度テレビでながれていた、ひろっこの収穫シーズンの話も伺いましたが、基本セリ農家さんが同じように作業されているようで、水の冷たい時期に土を手で落とす作業が非常に大変だとか。せりも根っこを残して風味を味わうものなので、それを損なわないように洗うのが大変なようです。

ちなみに、最近は秋田だけでなく、せりと言えば宮城というか仙台が台頭してきているという話も伺いましたが、確かに、関東でも仙台せり鍋のものとか売っていたり、この近所のスーパーでも宮城県産のせりが並んでいたりしたのをみましたね。

ちなみに、温暖化の影響でハタハタをはじめとして鱈すら不良らしく、冬の名物が不足しているようで・・・それでもハタハタは名物で売れるために庄内やら他の産地から高値で仕入れるので大変な事情などを伺いました。
と、言う中で前回角館(中仙)で訪問した秀よしの蔵元で現地で予約でリリースされる銘柄「八乙女」の話になりました。味わいが非常に良いらしく、蔵開きでふるまわれるようですが、皆それで飲み口の良さから飲み進めて酔うという話を聞きました。実際八乙女はアルコール度数高いです。限定数のお酒で既に今年は手に入りませんが、お店で持っていて出すこともできるといわれ興味関心を引きました。

そして、焼きそばもメニューにオンリストしているので、頼んでみました。店主によれば、よこて焼きそばは、あっさりしたサラサラなソースで、後発で広まっていったもののようで、そもそもの現地の人の味の好みからすると濃い味が好まれる・・・ということで、目玉焼きは同じように乗ったスタイルですが、味付けの濃いタイプの焼きそばを出していただきました。
そして、「やっぱり八乙女は飲んでおいた方が良いですよね?」とお尋ねしたら、絶対的なおすすめで出していただきました。
アルコール度数18度、味わいも甘味が乗り濃いですが、バランスよくボディこそあれ飲み口良くうまい酒でした。味付けの濃いタイプの焼きそばにもよくあったと思います。

そんなこんなで、1時間半くらいいろいろお酒を楽しませていただき・・・あと、秋田の話をたくさん伺え良い時間を過ごしたのでした。

入れ違いでお客さんが丁度入ってきたような時間でした。カモシバに宿泊していることをお話したら、サイダーも作っているので、バーに行くなら飲むといいというようなお話も伺い・・・さて、カモシバに一路もどってバーを利用することにします。
もともと、このカモシバに宿泊したいと思ったのは、バーを併設しているから・・・建物も古い味噌蔵をリフォームしたたたずまいで面白いのと、日本酒ももちろんのめますし、サイダーやビールなども楽しめて・・・かつ宿泊施設併設なので、飲んだ後にすぐに横になれるという最強のロケーション。

早速もどって、カウンターに座って、まずはサイダーをいただきます。
ドライなタイプをオーダー、爽やかであり程よいフルーティーさが楽しめます。ここで醸造しているのか聞いたところ、施設は別の場所にあるということ。しかし、オリジナルの飲み物がいただけるというのもありがたいですね。
横手の日本酒銘柄を紹介する冊子などもありますが、やっぱりサイダーでリフレッシュしたあとは、再び日本酒をいただいていくことに。
3種のみ比べで1100円だったかと思いますが、少しずつ飲み比べるスタイルでもいただけるので、それでいくつかいただいていくことにしました。

まずは、天の戸(あまのと)の現地向けの普及ラインといっても純米酒・・・それから秋田に来たらすっかり定番で最近関東でも見かけると目が行ってしまうようになった一白水成(いっぱくすいせい)、そして大納川(だいながわ)の生酒天下と違うタイプで選んでみました。

天の戸はクラシックなスタイルで飲み口もよかったですし、最近濁りのタイプもフレッシュさを感じられる銘柄が多く、一白水成も美味い。大納川はハートラベルのエピソードが裏ラベルに書いてありますが、「キャンディーズのハートのエースが出てこない」が由来のようで、ちょっとくすっとできるエピソードでした。
そして、お次は農醸シリーズから3つ。農家と作る酒というコンセプトの企画で、大潟村の農家と酒蔵のコラボ企画のようなものらしい。プロジェクト参加メンバー専用のものと、一般流通もあるものなど存在するようですが、裏ラベルには参加メンバーの名前が連なっていました。

ここでは、改良信交と秋田酒こまちバージョンのささにごりとひやおろし、4種類がありそこから3つ選びました。やっぱり秋田と言えばな秋田酒こまちを中心に選びました。
蔵を改装したということだけあって、カモシバのバーコーナーはなかなか室内も趣深いです。

そして、適当なところで休むことができたので、やはりここで宿をとったことは正解だったと思います。
翌朝は朝食付きにしてもらっていたので、(席が多くない関係上、チェックイン時に時間を指定する必要がある)8:30に指定して朝食をいただく。というか、はずれなく白米が美味しくて、普段お米は国酒でいただく(っていうか日本酒もたくさんいただくので、お米もりもり食べると糖質取りすぎになるので制限しています。)んですが、秋田からもどってきて、白米を食べたいと思う心理が強く残っています。
味噌蔵だったということで、ここでも発酵食品を中心にした朝食。昨日の増田でもそうでしたが、発酵食品が豊富なエリアです。麹や漬物・・・そして具沢山のお味噌汁・・・いや、やっぱり白米の美味しさが凄くて、朝食もありがたいものでした。

というわけで、増田から十文字に戻り、夜は日本酒を楽しみつつ宿泊、朝食をいただいたら、こんどは湯沢に向かうことに。

今回はいつもと違って2泊なので、ここまでで旅の半分という感じです。やあっぱり2泊は長い時間が取れるなと思いました。

今回、この2泊という条件からも、十文字ではドミトリー形式の部屋ならば安く宿泊できるカモシバは最適な宿泊施設でした。


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