LCC高松経由で行く岡山旅行ep.05「倉敷美観地区と備中の地酒を飲みまくる夜」

 岡山市内の旅程を終えて、LCC高松経由で行く岡山旅行ep.04「宮下酒造地ビールとで唎酒登竜門にチャレンジ」 7月 30, 2023夕方には宿をとっている倉敷まで移動しましたが、一泊2日の弾丸旅行なので、夜の予定はこの一日しか有りません。日本酒バーなど現地の飲食店でしっかり地酒を飲んで行こうと思っていたので、ここからが旅のメインの一つ、ゴールデンタイムになります。

倉敷の美観地区夜の景色も素晴らしいのでこれも良かったです。

さて、倉敷駅について、駅前の観光案内所で美観地区への道と、宿泊するアイビースクエアへのアクセスを確認したら、早速美観地区へ。

駅前の通りをまっすぐ進みます。
そして阿知南の信号を左に折れるともう美観地区の入り口なんですが、Googleマップだと徒歩10分て、出ますけど5分ほどで到達しました。歩くのは早めな方では有りますが、走ったりしているわけでもないですし、途中の飲食店をチェックしながらでした。

この先に美観地区が広がります。
むしろ、宿泊先のアイビースクエアが美観地区の一番奥の方にあり、広い美観地区の入り口から6〜7分はかかりました。
チェックインは18:00前に済ませましたが、一先ず目的にしているお店をチェック。今日はこの、粋酔日(すいようび)という備中(びっちゅう)の酒だけを集めている日本酒バーがターゲット。

実は、ここは昨年の年始に高松を旅行した時に立ち寄った日本酒バーで、岡山の方と隣合わせて教えていただいたお店。

高松も高松で、その前年の秋に高知を旅して立ち寄った日本酒バーで、香川の方と隣り合わせで「香川も少ないけど美味しい日本酒はある」と聞いて立ち寄ったので、なんというか、不思議なつながりを感じますね。
そして、いきなり日本酒バーで始めるわけではなく、食事は済ませてからのつもりでいましたが、平日で定休のお店や、ランチでないと結構な価格になるお店などが多く…結構彷徨った挙句に、バーの近くのお好み焼きのお店に目が行きました。

先日テレビでも(確か、マツコの知らない世界だったと思う)広島のお好み焼きの特集をしていて、気に掛かっていたのもあり、岡山名物と言わずとも西日本でないと食べられないものはありだと思ったのです。
早速店内にイン!実はもう一つ気になっていたものがあって、それはひるぜん焼きそば。蒜山(ひるぜん)といえば岡山の北の方かと思うんですが、デパートなどで見かける蒜山ジャージー牛乳のパッケージで知っておりました。

そして、当然ながら広島のお好み焼きはそばが入るから、焼きそばが美味しくないわけないだろう…ということで、ひるぜん焼きそばをオーダー。
その前に、やっぱりビールは決めておきます。日本酒もあるけど、これからバーでたくさん飲むでしょうからここはビールで。
ホルモンうどんも美味しそうです。そして、鉄板で焼きそばが焼かれています。
はい、待ちに待ったひるぜん焼きそばの登場です。…なんというか、まず人の作った焼きそばを普段あまり食べないので、先日の下館焼きそばの時もそうでしたが、焼きそばを目にしてテンションが上がりますね。
そして、特製のソースも。…B級グルメってありましたけど、普通にスパイシーさも程々に酸味もあって…あともちろん麺の仕上がりもよくすごく美味しい。

思わずお会計してお店を立つ時に大将に「こんなに美味しいと思いませんでした」と声をかけてしまったくらい。
さて、腹ごしらえも済んだところで…日本酒バーに向かいます。にしても19:00はまわってるでしょうけど、この時期はまだまだ明るい。
備中の酒だけと聞いていたけど、店のディスプレイを見るだけでも、たくさんのボトルが並んでおり、また酒器が並べられているのも楽しげです。
さて、いざ入ってカウンターの一番奥に陣取ります。自分以外の客はあと1名という感じでした。連休明けと言うのもあって、この旅を通して基本空いていることが多かったです。
益々繁盛(ますますはんじょう…4.5リットルサイズの日本酒規格)のボトルなどもある。
さて、まずはやっぱりスターターで生酒からいただきたく、それらをオーダー。この三冠はもとの味わいは厚みのあるタイプのようですが、生酒らしく飲み口に軽快さやフレッシュさが加わり、スターターにも十二番に良い感じ。
ちなみに、マスター曰く「その人が飲んで美味しいと感じるものが酒の味」ということで、偏見なくお酒を楽しもうと言う姿勢で、着ていられるTシャツにも「まだ俺は酒を語れない」とメッセージもついていた。

つまり・・・「いくら飲んだところで、酒はいろいろあるし、全てを語りきれない」と言うことでしょう。僕も個人的にワインや日本酒をそれなりに飲んでいますが・・・それでもいくらでも飲んだことのないタイプのお酒は無数に存在していて・・・実際語り切れるようになることはないなと、経験が増えるごとに思うところです。
そして、ここまであえてお昼などにも頼まずに進んだ燦然(さんぜん)これ純米吟醸の原酒ですが、やはり銘柄の持ち味というか、綺麗で軽快さがあるタイプ。
いやー、暑いこともあってまだまだフレッシュな生酒がやめられません。大典白菊無濾過生原酒…無濾過生原酒。

一時期「洋食にも負けない強い味わい」とか「雑味として考えられていた部分も本来の味わいの一つ」なんていうコンセプトのもとに、活性濾過をしない流行りが広まった時期がありますが…多分10年前くらい。

その手のお酒は、やっぱり濾過しないと雑味も入ったりはするので、えぐいお酒などもその時期多かった印象です。

こちらはそういった印象なく、味わいのスケールが大きくなったタイプの酒でした。

最近の無濾過は一時期の流行からは少し離れて味わい自体はクリーンなものが増えたと思います。
そして…ここでの一番のヒットになったのが嘉美心(かみこころ)の特別本醸造。やはり普及しているタイプの酒が最高です。

そして、全体としてこの岡山は旨口というか甘さのあるお酒がベースにあって、この嘉美心もそのような雰囲気…そして飲み口がスムースでいくらでも飲める飲み疲れないタイプ。傑作です。

帰りに購入を考えましたが、一升瓶規格のみのようで、持ち運びを考えて諦めました。
そして、酒器も店頭のディスプレイだけでなく、様々なタイプで供出してくれます。キリコグラスは夏には涼しげで良いですね。
また、ここで酒米の精米のサンプルなどもみせていただきます。岡山は飯米(はんまい…酒用ではなく、普通に食べるお米)の使用も多く、ここにあるアケボノ朝日米などが、使われます。

飯米をよく使う県といえばこの前訪問したばかりですが山形も同様です。ササニシキなどが使われます。

しかし、こちらの方がより飯米を多く使った銘柄を見かけた気がしますし、味ののりよくスムースな酒が多く思いました。
さて、それではここの日本酒バーの代名詞であるヨイキゲンの酒造の酒。ヨイキゲンが一番メインに扱われていて…本当はヨイキゲンの酒蔵にも訪問したかったんですが、案内役の方と日程が合わず断念しました…マスターに聞く限りでは案内役は社長さんらしく、なかなか贅沢な話だなと思ったのでした。

そしてこの碧天は雄町米を使用しています。雄町も流行りすぎて全国でイタズラに使われた印象がありますが、生産も難しいのはさることながら、酒造りにあたっても難しさのある酒米らしく、作り方を熟知していないと、苦味が出やすかったりコントロールは大変なようです。このあたりのことは、広島の西條の酒蔵でも同様の話をききました。

…事実苦味が強く出てしまったりバランスを欠いた雄町米の酒には結構出会ってきた印象はあります。うまくできたものは、みずみずしく旨みもあり素晴らしい酒になりますが。

岡山においては、やっぱり雄町米の本場とあって、この碧天を含めて、雄町米の酒はバランスよく味わいの乗りの良いものが多かったように思います。

この酒器も高台(こうだい)のようなスタイルですが、このお店で一番良い器らしいです。


そして、大吟醸クラスは香りなども強くなりますが、飲み口が重たくなりがちで…本来好んでいないのと、口に合わないこともあるんですが、この碧天は飲み口もスムースで気にせず口にした記憶があります。
続いての竹林(ちくりん)星涼(ほしすずし)はこの時期向けのライトな口当たりの酒。一回火入れ(熱処理をして品質を安定させる作業が1回)なので、やはり2回火入れのものよりもフレッシュな感覚もあります。
そして、食事は済ませてきましたが、せっかくなので何かつまみたいと思いつまめるものもオーダー。ここのマスターは元料理人ということもあって、全てが美味しいです。
ちなみに、様々な酒器でお酒を出していただきましたが、このくらいバリエーションがあるようです。マスターがセレクトしているもの。
で、まだまだ続きます。

こちらのモダンなラベルは大正の鶴、特別純米酒ライジング60例の朝日米を使っていることからライジングだそう。岡山の代表米のひとつで、雄町ももちろんいいんですが今回も朝日米の酒宮下酒造もそうでしたが、米本来の甘味というか味のノリの良い酒をたくさんいただきました。
日本酒バーのありがたいところですが、一杯が少量でいただけるので様々な銘柄を飲むことができます。

地方の居酒屋だとサービス精神で一杯の単位が大きいこととかあるんですけど、飲み手のこちらの容量にも限度はあるもので、一合とかで出されるとせいぜい二つか三つくらいしか飲めませんので・・・多くの銘柄を飲み比べたい身としては、少量ずつが本当にありがたいです。

またしても、雄町米。櫻芳烈(おうほうれつ)無濾過生原酒。色味もしっかりついていて、やっぱり全体に岡山はソフトな甘さのある酒質ですね。旨口だが北陸のような分厚いタイプではなく軽快。
こちらも櫻芳烈のWOMAN…ラベルは現地出身なデザイナーによるもので、女性にも手に取りやすいようなデザイン。
そして、色味がすごい。甘口をうたっている大吟醸というのは初めてみました。辛口が全てではないと、西日本に来ると感じさせます。

それにしても、酒米の生産量が多く県外に移出する量が多い(ソムリエ協会のSakediplomaの教本などでも勉強した)岡山県ですが、実際酒造も多く、ここで飲んだ備中酒だけでも、旨口甘口でありスムースに飲めるスタイルのものが沢山あり、

酒処というからには現地の方もたくさん飲むのかと思っていましたが、お話を伺うと県内消費は僅か2割にとどまるようで、県外中心に消費されているそう。

これは、数年前に広島に行った時にも、広島は神戸の灘、京都の伏見に次ぐ伝統的な酒の産地である西條があり、さぞ消費も旺盛かと思ったら、やはり現地の人は日本酒をあまり飲まないということを聞いたのを思い出しました。

この辺りの話もしましたが、広島は消費が旺盛ではないとはいっても、そもそもの人口や市場が岡山より大きいので、その点岡山の消費の少なさは顕著だとか。

なかなか、日本酒の消費実態って難しいところだと思います。こんなに良い酒が揃っている酒どころでも消費について明るい話がない。

そもそも、よく日本酒バーには行きますが、地域を問わず、こだわりのお店に行くと「日本酒しか飲めないお店ですが平気ですか?」ということを聞かれることもしばしばあります…そのくらい日本酒飲まない人が多いんだなと。

高級酒が作られて海外に広まることも良いんですが、やはり地域に根ざして飲まれる身近な日本酒文化というのはもっと再評価されたり、広まるべきだと今回も思ったのです。
なんてことをしながら、たくさん酒をいただきロングランですっかり夜も更けたころに店を後にしたのでした。
この時間帯もライトアップなどで倉敷美観地区は非常に綺麗なので少し散歩をしつつ。
実は倉敷出身の飲み仲間から教えてもらっていたバーに顔を出そうかと思ったら定休でした。
これは残念。
やむなく近くのバーに入って、シメのお酒をいただくことに。
ご当地っぽいものをということで、桃を使ったカクテルをいただきました。ピーチツリーやスミノフなどで作られていて、甘さもありますが、この時期爽やかにいただけます。
うん、これは倉敷の夜をしめるのに相応しいお酒でした。定休日だったおみせのことなどもうかがい、このバーを後にしたのでした。
で、ホントのホントのしめでラーメンもいただきました。
名物の鍋ラーメンは品切れでシンプルにラーメンをいただきましたが、体に染み入りました。
本当は小豆島ラーメンに興味があったんですが、こわなに夜が深い時間には営業しておらず、いつか食べる機会に恵まれたらと思います。
美観地区は川沿いだけでなく、街中の夜も美しくいつまでも歩いていられるような雰囲気。
というわけで、あちこち散策。
再び川沿いにも出たりして、
街中をアイビースクエアに向けて進むのでした。
アイビースクエアは美観地区の端の方にあるので、駅に近い場所にあるバーやラーメン屋など、結構距離があり、そこそこの運動になりました。
というわけで、メインの一つ備中の酒をここぞとばかりにいただくことができました。

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