どこかにビューーン!で行く美酒王国秋田の旅ep.07「稲とアガベ醸造所で新しいスタイルの酒をいただく」

どこかにビューーン!!で片道3千円程のポイントで行く、美酒王国秋田の旅も、二日目後半。男鹿なまはけ館&伝承館→道の駅オガーレで男鹿の石焼鍋をいただき、男鹿の最後は、新進気鋭な醸造酒の醸造所「稲とアガベ」に立ち寄ることに。 

何が新進気鋭なのかというと、日本酒を作る酒造免許というのは、基本的に新規で取得することは不可能で…そのかわり副原料を加えたり、日本酒に不可欠な濾す工程を経ないどぶろくのような、法律的には雑酒に分類されるものであれば可能…ということから、最終的には日本酒(清酒)野製造を目指しつつ、現状は雑酒のカテゴリの商品を作り出すことと、海外向けの輸出用の免許は取れるようなので、輸出用の日本酒(清酒)の製造を行い、男鹿半島から新たな日本酒産業を起こすことを目指している醸造所です。
この昼の時間帯は試飲を行うことも可能で、立ち寄ってここで醸される酒についてなどもうかがえればと思っていました。
場所は旧男鹿駅舎の建物を利用しているため、現在の男鹿駅からロータリー沿いに歩いてすぐの場所です。
というわけて、道の駅オガーレで石焼鍋を食べ終わってからすぐに向かいます。
帰りの男鹿なまはげラインは13:54だったので、残り時間は1時間弱というところ。ちなみに、この停車位置にだけ車両に電気を供給する架線があります。
パンタグラフから電気の供給を受けてバッテリー充電している模様です。
なんていうバッテリー式の男鹿なまはげラインの車両を横目に進むと、稲とアガベに到着。
旧男鹿駅車ということですが、リフォームされて外観からは和モダンなつくりに見えます。右端がショップになっているようで、こちらで試飲や購入ができるようなので、さっそく入店。
稲とアガベのラインナップ。日本酒の原料となる米に様々な副原料を加えたタイプと、やはり清酒の要件を満たさないどぶろくのタイプがあります。
試飲できるメニューはこちらのラインナップ
たくさんありますが、まじまじと頂いたことがないので、基本的にところからいただいてみたいと思います。
3種飲み比べでメニューから選んだのは、
左から稲とブドウ
稲とアガベ
Doburoku水もと(男鹿)酵母無添加
まずは、オガーレでも販売されていて、気になっていたDoburoku水もと(男鹿)

香りは穏やか、テクスチャも比較的細かめで粒感は少ない。本当に、炊きいた米というか餅米というか、そんな香りがする。

甘やかさ、乳酸のなめらかさはうまく表現されているが、辛口。お鍋を突きながらでも良さそう。

水もとは、古くから作られている日本酒の製法の菩提元と同じ手順のもとづくりらしいです。

菩提元自体は奈良県で頒布される製法で、岡山の銘酒御前酒なんかも菩提元の酒を醸していたはず。
そして、この醸造所の名前にもなっている、稲とアガベ。

副原料はブルーアガベを使っている。

香りは日本酒の発酵由来的なバナナっぽさが裏にある。青リンゴよりも少し青いような、しかし爽やかな…いや、ウリの香り。

味は伸びやかな酸があり、辛口だが、サラサラした中にも甘やかさなどが酸と対等なバランスをとっている。飲み込んだ後にごく僅かに苦味も…これもバランスが取れている。
なるほどよく出来ていますね。そして生酒の表記。
続いて、
稲とブドウ

香りは蜜のような濃密な甘さを予見させる。

味わいはワイン由来っぽいキレのある酸味とタンニンではないが後味に微かなえぐみのようなものが残る。…というか、過度に酸化してないタイプのオレンジワイン的かもしれない。色味からくるのかドライさも目立つ。
甲州種の葡萄を使っているようで、果皮はグリ(藤色)のタイプなので、色味はそこからついているものでしょう。

これも山梨で使われないブドウを利用して作られているといった話も聞きました。日本酒からのアプローチというよりは、ワイン的な飲み物としてアプローチした方がしっくりくるスタイルだと思います。

飲用スタイルも同じく。
そして、またまた飲み比べで3つオーダー。
左からラーメン専用稲とアガベ
Doburoku八朔
Doburokuフレンチポップス

ラーメン専用稲とアガベ
メープル様な甘い香りはオリジナルの稲とアガベよりも出ている、レギュラーの稲とアガベにあったようなバナナ的発酵感は抑えめ。

テクスチャはサラサラだが、それに反して味わいは酸が裏打ちした心地よい酸味のある、中口に近い印象。辛口でなく中口で少し甘やか味の濃い雰囲気が確かにラーメンに合うと思う。ラーメンといえば佐野ラーメンのある佐野市の第一酒造がつくる開華の中にもラーメン用日本酒があったけど、多少濃さと甘さが出ていた様に思う。

こちらは甘さも纏いながらすっきりとしていて…スタッフの方にもお薦めされましたが、お燗して楽しめるお酒と言われて納得。

これ、味わいの濃さもありながらスルスル飲めてしまい飲み過ぎ的に危険なやつです。


Doburokuフレンチポップス
粒感があるバナナ的発酵の香りもあり、そして洋梨
…といっても日本の甘めなラフランスを想像させる。テクスチャにこちはらクリスプ感がある。

Doburoku八朔
グレープフルーツ的な香り、八朔の皮のえぐみが感じられて、それが個性となっている。


一回のタンクの仕込みでどぶろくならば2000本を作ることができるらしい。

そして、米については地元産ということで、この近くの米所といえば、八郎潟を埋め立てた「大潟村ですか?」という感じですうかがってみたところ、大潟、そして能代など、男鹿でも少し生産をしているようで。

この稲とアガベのショップの担当の方は、農業生産も担当しているらしく実際男鹿で栽培を行っているとのこと。

実際の地場産品は西瓜、梨がメインのようです。

使用されるお米の種類についても聞いてみましたが、酒米は様々で、特別にこれときめて醸しているかんじではないようです。ササニシキ、ひとめぼれ、そして亀の尾など、食用米から復刻した伝統的な酒米まで実際バラエティに富んでいますね。

そして、時間が差し迫ってきて、最後のしめにDoburoku参…コーヒーを原料にしているものをいただき、Doburoku水もと男鹿を購入して、帰路の列車話に向かったのでした。
正直駅横の施設だったんでゆっくりしてしまいましたが、秋田行きの男鹿なまはげラインの発車時刻ギリギリに乗車しました。
これを逃したら1時間後とかでは無いので、秋田市内でやりたいことができなくなるところでした。


さて、後は秋田市内に戻り、荷物のピックアップとお土産購入と、最後駅ナカで日本酒をいただき東京へと出発したいところです。


あと、あわよくば稲庭うどんを食べられたらなというところでしょうか。



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